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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「望み」 2016

望み

★★★☆☆

 

あらすじ

 少年グループが起こした殺人事件に関わり行方不明中の息子が、加害者なのか、被害者なのか、どちらか分からず苦悩する両親。

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感想

 息子が殺人事件に巻き込まれるも加害者なのか被害者なのか分からず、辛い時間を過ごす家族の様子が描かれる。子どもが加害者だった場合と被害者だった場合で、親がするべき覚悟は真逆のものだ。子どもが事件に巻き込まれただけでも平常心ではいられないのに、どちらの可能性も考慮して備えなければいけない状況が続くなんて、確かに相当キツそうだ。そういうこともあるのだなという気付きはあった。

 

 だが映画としては、事件に至る予兆のようなものがしっかりと描かれないままにヌルっと進行していくので、いま一つメリハリがない。いつのまにか事件が起こり、気付けばその渦中にいた。特に中盤は、家族がマスコミに執拗に追われ、近隣住民に陰湿な嫌がらせを受けるありきたりの描写が続くだけで、かなり退屈だった。

 

 

 ここは捜査の進展を描き、それによって息子は被害者だと確信を強めたり、やっぱり加害者なのかもと揺れる家族の様子を見せて欲しかった。サスペンス感がゼロで、緊張感が全く無い。

 

 終盤、いきなり事件の真相がすべて明らかになる。息子が被害者なのか加害者なのか推理するようなヒントは何一つ与えられず、ただ眺めるしかなかったので、そっちだったのね、良かったのでは?という冷めた感想しか出てこなかった。あとで、そっちで良かったと思ってしまったことに対する罪悪感が湧いてきたが、これは計算された演出ではないような気がする。

 

 ついでに演出で言うと、劇伴音楽がうるさくてかなり煩わしかった。この監督はこの手の映画をやるときはいつも劇伴音楽がうるさい。それなりの手ごたえを感じているから続けているのだろうか。もしかしたらこの方が分かりやすく泣けるからと、好きな人が多いのかもしれない。

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 それから後日譚が妙に長いのも、泣かせるのに必死な感じがしてうんざりしてしまった。ただ、堤真一の武田鉄矢みたいになる演技は面白かった。

人間力を高める読書法

 

 酷くはないが、かといって良くもなく、コメントしづらい面白みのない物語だ。少年院で見せる映画みたいだった。

 

スタッフ/キャスト

監督 堤幸彦

 

原作 望み (角川文庫)


出演

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石田ゆり子/岡田健史/清原果耶/加藤雅也/市毛良枝/松田翔太/竜雷太/三浦貴大/渡辺哲

 

音楽 山内達哉

 

望み

望み

  • 堤真一
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望み (雫井脩介の小説) - Wikipedia

 

 

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