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「ローラーボール」 1975

ローラーボール

★★★☆☆

 

あらすじ

 近未来の人気スポーツ、ローラーボールのスター選手は、順調に活躍しているにもかかわらず突然オーナーに引退するよう申し付けられる。125分。

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感想

 架空のスポーツゲーム、ローラーボールを題材にしている。見ていればなんとなくルールは分かってくるが、そもそもこのスポーツは面白いのか?と思わなくもない。一度くらいは物珍しさで見るかもしれないが、劇中の観客のように熱狂するほどではないような気もする。

 

 ゲームの映像も、やってること自体は激しいのだが古い映画なので今見るとゆったりとしたテンポでかったるく感じてしまう。小気味よくカット割りされた爽快な映像というよりも、ドキュメンタリータッチの映像だ。

 

 

 主人公のチームがトーナメントを勝ち上がっていく様子が描かれる。普通のスポーツものなら試合と試合の合間は、特訓やチームメイトが絆を深めるシーンが展開されがちだが、この映画は違う。主人公がオーナーと面会したり、パーティーに参加したり、調べ物をする様子が描かれていく。

 

 最初はなぜこんなシーンが続くのかが解せなかったのだが、どうやらこれはディストピアを描いているらしいと分かってくる。それも皆が抑圧され苦しむディストピアではなく、皆が満たされているディストピアだ。満ち足りて何も考えなくなった大衆が、世界を支配する企業連合の思うがままに操られている。主人公らが時おり口にしていた錠剤も、不安を消し去るドラッグ的なものだったのだろう。

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 題材となっているローラーボールも、大衆のガス抜きをして操りやすくするためのツールだった。パンとサーカスのサーカスだ。だから最初に感じたこのゲームは面白いのか?という疑問もあながち間違ってはいなかった。大衆は与えられたもので満足するようになってしまっている。

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 主人公が突然引退勧告されたのも不可解だったが、スターとして力を持ち始めた彼の戦う姿に、大衆が影響されてしまうことを恐れるようになったからだろう。与えられるのをじっと待っていただけの大衆が目覚め、権利を勝ち取るための行動を取るようになられては困る。

 

 スポーツとディストピアを絡めた意外と深みのあるSF映画だ。レトロ―フューチャー感のあるセットや演出は興味深く、なぜか皆で正拳突きをする日本チーム応援団も面白かった。だが全体的に分かりづらいのが難点だ。上映時間も長過ぎる。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 ノーマン・ジュイソン

 

脚本 ウィリアム・ハリソン

 

原作 Roller ball murder


出演 ジェームズ・カーン/ジョン・ハウスマン/モード・アダムス/モーゼス・ガン/バート・クウォーク/ラルフ・リチャードソン

 

音楽 アンドレ・プレヴィン

 

ローラーボール

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ローラーボール (1975年の映画) - Wikipedia

 

 

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