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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「江利子と絶対 本谷有希子文学大全集」 2003

江利子と絶対 本谷有希子文学大全集 (講談社文庫)

★★★☆☆

 

 表題作のひこもりの妹を引き取った姉の話を含む三作品が収録されている。

 

 目次も余り見ずに読み始めたので、短編が2作品続いた後に、結構長めの長編というか中編にあれ、なかなか終わらないなと戸惑ってしまった。どうでもいい話だが。

 

p11

引きこもりというハンデを背負いながらポジティブに生きていく。引きこもっているのにポジティブ。

 

 表題作は、上記のような理由のわからないことを言っている、引きこもりの妹を、冷めた目線で眺めている姉が面白い。心配するでもなく、押し付けた負い目を感じている実家の母親と取引したりして。

 

 続く「生け垣の女」は、なかなか過剰な話。知らない強さってあるよな、と。一度知ってしまうとそれを失う怖さだとか、それがないことの悲しさなどが芽生えてしまう。失って元通りになっただけというけれど、それを知らなかった昔とは同じではいられない。

 

 最後の「暗刈」は、前の二編とかなり趣を異にしている。エンターテイメントとしては、細かな人間の嫌な部分とか心情とかを描きすぎてしまって冗長な感じがある。それに灯油とライターがあるなら、そんなことしなくてももっと他にできることがあったろうに、と思ってしまった。

 

著者 本谷有希子 

 

 

 

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