★★★☆☆
内容
社会心理学者によるモチベーションと目標達成のための本。
感想
やるべきことは分かっているのに、なかなか腰が重く動けないというのはよくあることで、なんとかしなければと思いつつもそれでも出来ない。そういった事をテーマにした本は多く出ていて、世の中には同じような問題を抱えている人が多いことが分かる。
そういった本を読んでも問題を解決できないのは、単純にこれさえやれば全て解決、といった魔法のような方法はないからだ。ある場合には上手くいくが、別の場合では上手くいくとは限らない。解決方法は様々で、取り組む問題によって変わる。考えてみれば当たり前の話だ。
楽観主義は、目標達成によってメリットや称賛を得たい場合に効果的です。悲観的な現実主義は、安全や危険回避などが目的の場合に効果を発揮します。モチベーションとパフォーマンスを上げるには、目標の特性の理解がきわめて大切なのです。
p114
本書では、問題自体の性質、本人の問題の捉え方、元々の性格など、様々な要素によって効果的な取組方法は変わってくると説明する。例えば、ノルマを達成するという守りの目標と、誰もやったことのないことをやるという攻めの目標 では、同じ目標でも効果的なマインドセットは異なる。その他の要素でも同様に、内容によって対応方法は変わってくる。
つまり、様々な要素の組み合わせによって、結局やり方は無数になってしまうわけだが、それでも何となくパターンのようなものがあると分かっているだけで、心強さは感じられる。紹介されている方法の中には、自分の視点になかったものもあり、それを取り入れ意識することで、自分に欠けていた部分を補うことも出来そうだ。
その他、自分だけでなく他者のモチベーションを上げる方法や、限りある時間を有効に使うために切り捨てる目標の見極め方など、様々な角度から目標達成のためのアプローチを紹介していて、一読しておけば何かと役に立ちそうな内容となっている。
著者
ハイディ・グラント・ハルバーソン
登場する作品