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「親切なクムジャさん」 2005

親切なクムジャさん(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

  幼児誘拐殺人の罪で服役した女。出所後、自分を脅して濡れ衣を着させた真犯人への復讐に動き出す。

 

感想

 ほのぼのとしたタイトルとは裏腹の、暗く重い復讐物語。ただ、凝った映像とテンポの良さでそんなに重苦しさは感じさせない。テンポが良すぎて、若干内容が分かりづらい部分はあるが。

 

 収容された刑務所内では模範囚として評価され、他の囚人にも親切で信頼を得ていた主人公。出所後はそんな彼女を慕う人々の力を借りて、真犯人への復讐に乗り出す。真犯人自体はすぐに見つかり、そこから延々と復讐の時間。

 

 ただこの復讐がピントがずれているような気がして、ずっと心の中にもやもやしたものを抱えたまま見ることになってしまった。犯人が起こした事件の被害者家族全員を呼び出して、家族に起きた悲劇をどうにかこうにか乗り越えて生きているだろう家族に再び辛い記憶を呼び起こさせ、復讐という名の犯罪に加担させるとか、あまり共感できない。これは親切なのか?

 

 主人公は犯人に恨みつらみを言うでもなく静かだし、犯人も命乞いをするわけでもなく達観している。犯人の起こした事件を見れば明らかだろうということなのかもしれないが、もう少し犯人の極悪さを見せてくれないとバランスが悪い。主人公のモチベーションも見えない。

 

 自分の関わった事件の被害者の前で指を切り落とし、許しを請う主人公の行動も、見方によっては脅迫でしかなくて解せない。自分の自白を嘘と見抜けなかった刑事のせいで、さらなる被害者が出てしまったと刑事を責めて協力させるというのもずいぶんな言い草で、主人公のひとりよがりばかりが強く印象付けられる。そもそも親切な彼女に皆が協力したということになっているが、実情を探るために犯人と結婚するとか度を越していて、主人公が人を利用する悪い奴にすら見えてしまっている。

 

 この映画は復讐を描くというよりも、復讐という行為に対する問いかけをしている映画と言えるのかもしれない。復讐をしたところで死んだ人間が帰ってくるわけでもない不毛感や虚無感。ただそこに至るまでの過程に説得力がないので、別の意味で虚無感を感じてしまった。

 

監督/脚本 パク・チャヌク

 

出演 イ・ヨンエチェ・ミンシク/クォン・イェヨン/キム・シフ/オ・ダルス/ソ・ヨンジュ/チェ・ジョンウ/パク・ミョンシン/ソン・ガンホ/シン・ハギュン/カン・ヘジョン

  

親切なクムジャさん - Wikipedia

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