★★★★☆
あらすじ
酔拳の使い手である青年が、国宝を国外に持ち出そうと企む一味を阻止しようと立ち上がる。
感想
父親に頭が上がらない主人公が何歳の設定なのかは分からないが、当時40歳のジャッキーでは少し苦しい感じはある。しかし、この役はジャッキーしかできないので、そこは目をつぶるしかない。
荷物がすり替わり偶然に国宝を手に入れてしまった事から狙われることになった主人公。最初は気づかず、本来の荷物、朝鮮人参をなくしてしまったことに慌てている。この序盤は、アクションシーンもある事にはあるが、コメディー感が強い仕上がり。
そこで存在感を発揮しているのが、主人公の母親役のアニタ・ムイ。ただそのコメディーがベタベタ過ぎて若干辟易してしまう。つらいと言えばつらいのだが、でもちゃんとそれをやり切っているのはすごい事なのかもしれない。なんだかんだで次第に慣れてきた。
いつの間にか朝鮮人参のくだりは無くなってしまうが、やがて国宝が国外に流失している事実に危機感を持つ主人公たち。英国統治下の外国人の横暴な振る舞いや、強制労働なども描かれて、シリアスな雰囲気が出てくる。
しかし強制労働をさせる方法が、銃などの武器で脅すのではなく、素手でのシンプルな強さで脅しているのがすごい。まさに「文句があるならかかってこい」という、潔いある意味男らしい正々堂々とした態度だが、原始時代っぽさはある。
コミカルからシリアスへ、受け身から能動的にと変化し、いくつかの出来事が一つの流れに集約していくストーリー展開は、90年代中盤の作品というだけあってだいぶ洗練されてるように感じる。能動的になるも一度は失敗してからのクライマックスへ、という流れも盛り上がりやすい。
ラストの対決は、敵役のロウ・ホイクォンの足技が凄くてヒートアップする。相手の動きに呼応するように、ジャッキーの動きも凄みを増していき、どんどんと引き込まれていく。いつもの無茶めのアクションシーンも当然差し込まれて、怒涛の展開だった。呆気なさすぎの突然のエンディングには驚いてしまったが。
そういえば冒頭はアンディ・ラウが出ていて、あれは何だったんだ?と観終わった後にふと思ったのだが、特別出演という事だったようだ。
スタッフ/キャスト
監督 ラウ・カーリョン
監督/出演
製作 エリック・ツァン/エドワード・タン/バービー・トン
出演 アニタ・ムイ/ティ・ロン/ラウ・カーリョン/フェリックス・ウォン/ホスン・パク/アンディ・ラウ/トン・ピョウ
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