★★★★☆
あらすじ
長年勤めた保険会社にクビを告げられた元刑事の男は、帰りの通勤電車で出会った見知らぬ女性の、大金をチラつかせた怪しい依頼に応じてしまう。
感想
大金につられ、見知らぬ女性の依頼に応じてしまった主人公。監視されて逃げることも出来ず、脅迫もされて、車内のある人物を探すという求めに応じざるを得なくなってしまう。
しかし、なんども列車内を往復したり、目ぼしい人物に声をかけたりする主人公の孤軍奮闘ぶりを見ていると、元刑事とはいえ60歳の初老の男にそんな依頼するなよ、と思わないでもない。車内で敵と格闘する激しいアクションもあり、本当ならこの仕事は若者に頼むべき仕事だよなと思ってしまった。ただ終盤に明らかになるが、彼に依頼した理由はちゃんとあるのでストーリー的には間違っていないのだが。
目ぼしい人物を絞っていくサスペンス感と程よい感じで差し込まれるアクションで、ダレることなくいい緊張感が続く。途中で乗客を一つの車両に集めるというのは、映画的に分かりやすくなって上手いアイデアだった。とはいえ、別の車両であんなに激しく暴れたら、さすがに他の乗客に気付かれるのでは、と思ってしまったが。
目的の人物が見つかり電車も終点に近づいて、これで映画も終わりかと思っていたら、ここからさらなる展開が待ち受けていた。それは激しいアクションというよりもただの大事故といった方がいいような出来事から始まる。これでほぼ全員がほとんど怪我無く無事だったのはもう奇跡としか思えない。
最後のクライマックスは、伏線が丁寧過ぎてバレバレだったのが残念だ。当然主人公も薄々は気づいているのだろうなと思っていたので、あまりに警戒心のない素直な行動に逆に驚いてしまった。ただ、他の乗客たちが身を挺して敵に立ちはだかる姿には胸が熱くなった。これは犯人の「善人ぶっても馬鹿を見るだけ」という言葉にも呼応するものだろう。
エンディングを小粋に決めた後、路線図に見立てた洒落たエンドクレジットが流れる締めくくりだ。気分よく見終わることができた。細かい部分で色々引っかかる部分がある映画ではあるが、娯楽作品としては十分楽しめる。
スタッフ/キャスト
監督/製作総指揮 ジャウム・コレット=セラ
出演 リーアム・ニーソン/ヴェラ・ファーミガ/パトリック・ウィルソン/ジョナサン・バンクス/サム・ニール/エリザベス・マクガヴァン/アンディ・ナイマン/クララ・ラゴ/ローランド・ムーラー/フローレンス・ピュー/ディーン=チャールズ・チャップマン/コリン・マクファーレン/レティーシャ・ライト
音楽 ロケ・バニョス
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