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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「マイ仏教」 2011

★★★☆☆ 内容 著者が仏教に興味を持った経緯や関わり、著者なりに理解した仏教が語られる。 感想 まず著者と仏教の関係が描かれる。最初は仏像から入り、次第に教義などにも興味を示していく。京都育ちという地の利もあるが、彼をマニアックに突き詰めていくス…

「沈黙 -サイレンス-」 2016

★★★★☆ あらすじ 尊敬していた師が棄教したという噂を聞き、真偽を確かめにキリシタン弾圧下の日本にやって来た宣教師。 感想 弾圧下と分かって潜入してくる宣教師たち。その信念の強さはすごいと言わざるを得ない。彼らにとってみればレジスタンス活動みたい…

「こちらあみ子」 2011

★★★☆☆ あらすじ 母親が自宅で運営する書道教室に通う男の子を好きになった女の子。他2編。 感想 表題作の「こちらあみ子」は、まずは構成が上手い。現在から小学生に戻ってそこから中学卒業までを描き、一旦小学生以前にさらに遡ってから現在に戻ってくる。…

「Dearダニー 君へのうた」 2015

★★★★☆ あらすじ ジョン・レノンからの手紙を43年後に受け取った歌手は、心を入れ替えて生きようと誓う。実話をもとに創作された物語。 感想 43年後とはいえ、ジョン・レノンが自分に手紙を書いてくれていたと知ったら嬉しいに決まっている。だがそれを当時読…

「バトルクリーク・ブロー」 1980

★★★☆☆ あらすじ マフィアに脅され、格闘技の大会に出場させられることになった青年。 感想 オープニングタイトルからどことなく小粋でセンス溢れる映画を志向しているように感じられる。粋な音楽に格闘シーンを合わせたりして。ただそのせいでジャッキーのリ…

「そして誰もいなくなった」 1939

★★★★☆ あらすじ 無人島に呼び寄せられた様々な経歴を持つ10人が、次々と殺されていく。 感想 様々な理由をつけて無人島に集められた10人の男女。最初は各人物の把握が大変だが、まんべんなく程よく紹介されていくのでそこまで苦労はしない。 集められた10人…

「ホーリー・モーターズ」 2012

★★★☆☆ あらすじ リムジンを楽屋に、様々な現場で様々な役を次々と演じていく男。 感想 次から次と様々な役を演じていく男。最初は訳が分からないのだが、2つ目のモーションキャプチャーで演じるシーンくらいまでは、訳の分からない面白さがあった。シュール…

「古都 」 1980

★★★☆☆ あらすじ 幼い頃に京都の呉服問屋に拾われ育てられた女は、自分に双子の妹がいることを知る。 感想 京都の呉服問屋といういかにも京都らしい舞台を中心に物語は進行する。彼らの着物姿や古都の風景は見どころの一つ。そして、登場人物たちが話す京都弁…

「エル ELLE」 2016

★★★★☆ あらすじ ある日、覆面をした男に襲われた女性。 感想 主人公が男に襲われるところから物語はスタートする。男は覆面をしていたので誰か分からない。当然、誰が犯人かを捜すサスペンスになっていくのかと思いきや、そうはならない。犯人を捜しながらも…

「彼女の人生は間違いじゃない」 2017

★★★☆☆ あらすじ 震災後の福島で、市役所で働き、週末は東京に出かける女。 感想 震災で家族を失ったり住む場所を失ったりということは、勿論つらいことではあるが、天災なのでまだ割り切れる。というか割り切るしかない。しかし、それに伴って起きてしまった…

「パターソン」 2016

★★★☆☆ あらすじ クリエイティブな妻と暮らす詩を書くバス運転手の一週間。 感想 早朝仕事に出かけ夕方帰宅、そして妻との食事の後、犬の散歩に出かけついでにバーで酒を飲む、ルーティンのようにそんな変わり映えのない平日を過ごすバス運転手。物静かであま…

「ヴァイブレータ」 2003

★★★★☆ あらすじ コンビニで知り合った男の運転するトラックに乗り込んだ女。 感想 新潟へ荷物を運ぶトラック運転手に女が同行するロードムービーだ。二人が知り合うきっかけが不思議ではあるが、ちょっとしたコンタクトで一瞬で話がまとまったというか、合意…

「わらの犬」 1971

★★★★☆ あらすじ 妻の故郷であるイギリスの片田舎に移り住んだ夫婦は、地元の人々に嫌がらせを受ける。 www.youtube.com 感想 序盤は片田舎の人間模様が描かれる。よそ者を観察するような視線、見え隠れする独特の事情、なかなか表に出てこないそれぞれの胸に…

「ドラゴンロード」 1982

★★★★☆ あらすじ 遊んでばかりの名家の御曹司は、一人の男を助けたことから財宝をめぐる争いに巻き込まれてしまう。 感想 近代化する前の中国の牧歌的な村を舞台に物語は進む。どこか知らないがこの映画を撮ったロケ地も今じゃすっかり様変わりしてしまってい…

「私とは何か 「個人」から「分人」へ」 2012

★★★★☆ 内容 社会との関係を「個人」という単位で考えていることが、我々を苦しめているのではないかと考え、新たな単位「分人」で捉える「分人主義」を提案する。 感想 仮面をつけた自分だとか、本当の自分だとか考えるから人は苦しくなる。様々な場面で見せ…