★★★★☆
あらすじ
夫と共にマニアな世界に足を踏み込んでいた女が、ある事件に巻き込まれる。
感想
前半はどっぷりとマニアな世界が展開される。自分とは一生関係ないようなこういう世界は怖いもの見たさで引き込まれる。けど、ほんとどっぷりでどこまで行くんだよと心配になるほどだった。そんな世界に浸る主人公の女性。こんな世界に浸かりながらもどこかに冷静な目を持っている。それがただの欲望にまみれただけの人間とは違うと感じさせるところだ。
そんなマニアな世界から一転裁判のシーンに。あまり人には知られたくないことを世間にさらされながらも、彼女は夫への愛を支えに戦う。そして意外な結末を迎え、後日譚かと思っていたら、そこからも長い。知らなかった事実が次々と明かされていく。
スカスカ感がなく中身がぎっしりと詰まった読み応えのある本だった。この文庫版の後書きや対談を加えたりしているところをみても、作者の、出し惜しみせずとにかく色々と詰め込んでいきたい、という想いが伝わってくる。
対談の中でも触れられていたがこのタイトル、なかなか手を出しにくい。なんかもったいない気もする。違うタイトルで騙して手に取らせても後悔はさせないのではないかなと思うのだが。でも、このタイトルで出すからかっこいいとも言えるし、難しい。
著者
登場する作品
登場する人物
ビートたけし/GREAT3