★★★★☆
内容
立教大でゼミ生と先生という関係だった三人による映画談義。
感想
鼎談当時の映画をきっかけにしながら、古今東西の映画の名前が次々と挙げられていく。ほとんどが見たことない映画だが、彼らの話を聞いているとどれも観なきゃいけない気になってくるから不思議だ。
メンバーのうち二人が映画監督ということもあり、作品や映画に対する姿勢について、監督としての意見を尋ねるという内容が多かった。イマイチ理解できない箇所もあったが、もともと立教大のゼミで知己のあるメンバーなので、余分な前置きがなくても三人の中では通じる内容だったということもあったのかもしれない。三人の中ではかなり年長の蓮實重彦が、年下の二人の監督に対して敬意を感じる丁寧な言葉づかいで、とても上品な人だと思った。
最近の学生たちは古い映画はよく観ているが、今やってる映画はあまり観ていないという話が印象的だった。ある程度評価の固まっている古い映画はクオリティが保証されているのでサクッと観られるが、今公開中の玉石混交の映画には腰が引けてしまうというのは分からなくはない。ただオンタイムで観るからこそ感じられるものもあるはずで、また、オンタイムで見られるのが同時代に生きる人の特権でもある。
三人があまり悪口を言わず、良かった所や感心した所を挙げるほうが多かったのが意外だった。良い部分を見つけられたり、悪い部分でも面白がって楽しめるからこそ、映画を見続けられ、好きでいられるということなのだろう。
著者
蓮實重彦/黒沢清/青山真治
- 作者: 蓮實重彦,黒沢清,青山真治
- 出版社/メーカー: リトル・モア
- 発売日: 2011/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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登場する作品
東京から 現代アメリカ映画談義 イーストウッド、スピルバーグ、タランティーノ
*映画は割愛