★★★★☆
あらすじ
機械と人間が戦う近未来。タイムスリップして少年時代の人間側の指導者を暗殺しようとするロボットと、それから守るために人間側が送り込んだロボット・ターミネーター。
シリーズ第2作。原題は「Terminator 2: Judgment Day」。137分。
感想
前作同様、将来の人間側の指導者をめぐって未来から送り込まれた機械側と人間側の勢力が対決する物語だ。ただ前回は敵役だったアーノルド・シュワルツェネッガー演じるターミネーターが、今回は指導者らを守る人間側になっている。厳密には型が同じだけで同一ロボットではないのだが、それだけで前回との違いが作れてマンネリを防ぐことが出来ている。
そして前回は訳も分からずただ逃げ惑うだけだった指導者の母親も、今回はたくましくなっている。自覚が芽生えて、知識を身につけ体を鍛え、来るべき未来に備えている。病院からの脱走を図り、奪った警棒を持って軽快に走る姿などは、まるでトンファーを持ったブルース・リーみたいで笑ってしまった。
指導者親子、ターミネーターの三人組と、敵のロボットの追いつ追われつの戦いが繰り広げられる。敵のロボットは、前作のシュワルツェネッガーと比べると見劣りしてしまうが、液体化してどこでも侵入できる肉体とどこまでも追ってくるしつこさに、これはこれで怖さがあった。容赦なく一般人を殺していくのも怖ろしい。最初の戦いからクライマックスまで、終始白熱の戦いを見せてくれる。
そして今回はただ受け身で逃げるだけでなく、将来の戦争のきっかけとなるコンピューターの開発を阻止しようと積極的な動きも見せる。まずは開発者を殺そうとするのだが、それだと将来の指導者を産む母親を殺そうとした機械側とやってることは変わらない。疑念を持たせる展開で物語に深みを出している。
融通の利かないターミネーターとまだ子供でやんちゃな指導者とのぎこちないやり取りはコミカルで面白かったが、これもまた人間と機械が友好的に暮らしていけることを示唆しているかのようである。単なる娯楽作にとどまらないSF映画だ。
最後は何度もしつこく迫る敵との戦いに決着をつけ、「i'll be back」の名ゼリフ、名シーンでエンディングとなった。満足感のある余韻に浸れる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ジェームズ・キャメロン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー/リンダ・ハミルトン/エドワード・ファーロング/ロバート・パトリック/ジョー・モートン/アール・ボーエン/S・エパサ・マーカーソン/カスチュロ・ゲッラ/ジェニット・ゴールドスタイン/ザンダー・バークレー/マーク・クリストファー・ローレンス
音楽 ブラッド・フィーデル
編集 コンラッド・バフ/マーク・ゴールドブラット/リチャード・A・ハリス
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