★★★☆☆
内容
スマホなどを使ってクラウドにメモを残すことで、いつでもどこでも気軽に情報を引っ張れるデジタルアーカイブを作る方法を紹介する。
感想
情報のすべてをGoogleドキュメントに保存して管理しようというのがこの本の要旨だ。確かに今は便利なアプリやツールがたくさんあって情報を保存するのは簡単だが、あとからどこにデータを残したのか忘れてしまって様々な場所で検索をかけなければならいことが時々ある。それらをあちこちに保存するのではなく、一つの場所に保存し一元管理するようにしてしまえば、もうそんな煩わしい思いをしないで済む。
ただ、それにこだわり過ぎるのもよくないような気がした。例えばYouTubeの動画などはアカウントを持っていればYouTube内でブックマークしておけるのでいつでも見ることが出来る。だがこの本のやり方だと一つずつGoogleドキュメントにリンクを貼っていくということなのでかなり面倒くさそうだ。ただYouTubeの機能では、著者がデジタル管理の利点だと言う多元管理はしづらいので、YouTube内で動画リストなどを作っておき、そこへのリンクを貼るようにすればいいのだろう。さらにもっといえば、YouTubeのトップページのリンクを貼っておくだけでも、Googleドキュメントからクリック一つで手数をかけずに確実に行けるようになるので効果的と言えるのかもしれない。
様々な方法が紹介される中で、一番興味を持ったのは音声による文字入力だ。常に持ち歩くスマホはいつでもどこでもメモをするのに最適なデバイスだと思うが、文字入力だけはパソコンのキーボードに劣る。PCのキーボードならもっと簡単に文字が打てるのにと思ってしまい、スマホでメモを取るのをいつも躊躇してしまう。だから音声入力なら出来るかもと思ったのだが、残念ながらこの本ではそれについての詳しい紹介はなかった。すでに著者は音声入力に関する本を出しているので、そちらを読んでくれということなのだろう。
この本で紹介されていることは、すでに似たようなことをやっていたのもあって、個人的にはとりたててハッとするようなことはなかった。自分のやり方をブラッシュアップし、微調整するのに役立ったという程度だろうか。それはともかく、80歳を過ぎても飽くなく探求心で新たな技術を取り込もうとする意欲的な著者の姿勢には感嘆するほかない。この姿勢は是非見習っていきたいところだ。
著者
野口悠紀雄
登場する作品
超「超」整理法 クラウド時代を勝ち抜く 仕事の新セオリー (講談社文庫)
クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する