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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「お気にめすまま」 1992

お気にめすまま HDマスター版 [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 何者かに部屋を荒らされ不安になった独り身の女は、貸し番犬を手配することにする。

 

感想

 貸し番犬屋を営むジャック・ニコルソン演じる男。彼のキャラクターがいまいちはっきりしないので、金持ちの女を落として何かを企んでいるのか、純粋に恋に落ちただけなのかが曖昧で、観ていてどこか落ち着かない。

  

 相手役のエレン・バーキンは、キャメロン・ディアスに似ている。特段美人というわけではないが、動くと愛嬌があって魅力的になる。順番的にはキャメロン・ディアスがエレン・バーキンに似ているというべきだろうが。

 

 

 ジャック・ニコルソンが日本人らしき妻を「イオウジマ」と呼んでいるが、これはどういう意味なのだろう。単純に日本についての知識がそれだけだからそれを愛称にしているだけなのか。その意味合いが良く分からない。

 

 ドタバタコメディというにはドタバタしておらず、ミステリーと言うほどのミステリーもなく、犬が活躍するのかと思えばほとんど何もせず、非常に中途半端な印象を与える作品。

 

スタッフ/キャスト

監督 ボブ・ラフェルソン

 

製作総指揮 シルヴィオ・ベルルスコーニ/マリオ・チェッキ・ゴリ/ヴィットリオ・チェッキ・ゴリ

 

出演

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エレン・バーキン/ハリー・ディーン・スタントン/ビヴァリー・ダンジェロ/マイケル・マッキーン/ソウル・ルビネック/ヴェロニカ・カートライト/デヴィッド・クレノン/ローレン・トム

 

お気にめすまま HDマスター版 [DVD]

お気にめすまま HDマスター版 [DVD]

 

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登場する作品

神曲 天国篇 (河出文庫 タ 2-3)

 

 

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「パワー・ゲーム」 2013

パワー・ゲーム(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 金の使い込みがバレて、ライバル会社に産業スパイとして送り込まれることになった男。

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 原題は「Paranoia」。

 

感想

 貧しい地域で育ち、上昇志向の強い男が主人公だ。スパイにさせられてしまうのだが、正直、普通にスパイが務まるということは、普通に仕事ができるということなので、やけになって使い込みなんかしなくても良かったのに、と思ってしまった。だがそれはつまり、若者にはなかなかチャンスは巡ってこないということか。

 

 スパイに送り込まれた先のボスを演じるのはハリソン・フォードだ。丸刈りですっかりおじいちゃんになってしまっている。敵対するゲイリー・オールドマン演じる会社のボスと、愛想よく嫌味の応酬をするシーンはなかなか見応えがあった。

 

 

 主人公は元の会社に監視され脅され、スパイを続けざるを得ない状況に追い込まれてしまっている。こういうのは、最初の対応を間違えてしまうとズルズルとこんなことになってしまう。過ちを犯してしまったら、それを認めて償うことが大事だ。しかし、用意された部屋が監視されている事に気付いた時、監視カメラを探しては壊していたが、そんなことをせずにホテルにでも移ればいいのにと思った。

 

 やがて主人公の逆襲が始まるが、見ていてそんな気持ちよくはない。どちらかと言うと、相手のショボさの方が目立ってしまった。取ってつけたようなハッピーエンドもわざとらしい。

 

スタッフ/キャスト

監督 ロバート・ルケティック

 

原作 侵入社員〈上〉 (新潮文庫)

 

出演 リアム・ヘムズワース/ゲイリー・オールドマン/アンバー・ハード

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ルーカス・ティル/エンベス・デイヴィッツ/ジュリアン・マクマホン/ジョシュ・ホロウェイ/リチャード・ドレイファス/アンジェラ・サラフィアン

 

音楽 ジャンキー・XL 

 

パワー・ゲーム(字幕版)

パワー・ゲーム(字幕版)

  • リアム・ヘムズワース
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「ブレイブハート」 1995 

ブレイブハート (字幕版) 

★★★★☆

 

あらすじ

 13世紀末、イングランドに虐げられていたスコットランドの独立のために戦った実在した英雄、ウィリアム・ウォレスを描いた作品。アカデミー賞作品賞。

 

感想

 男が妻を失い、そこからイングランドへの抵抗運動へとつながっていくのがリアリティーがある。最初からでかい志があると失敗しそうな気がする。変に敵に理解を示したりする聖人君子でもなく、感情のままに容赦のない行動をする所も人間味があって嘘くさくない。

 

 戦闘シーンはかなり激しい描写もあるが、これくらいのほうがこんな目に遭いたくない、戦争なんてするもんじゃない、という気分になって逆にいいと思う。観ている分には気分は高揚するが。

 

 

 イングランドの圧政の象徴の一つとしてが「初夜権」が描かれ、初夜権ってただのエロオヤジの下卑た欲望の現れかと思っていたが、王の言葉を聞いているとそれなりの意味を見出すこともできるのだなと少し感心した。とはいえ、後付けの言い訳ではあるのだろうが。

 

 イングランドが、敵を切り崩してどんどん身内を裏切るように仕向けていく手腕はえげつないほど有効だ。結局、皆自分の身が可愛い。敵陣営が内紛を起こしてくれれば相手は疑心暗鬼で団結できず、その分、自分たちは安泰になる。戦争が、単純に戦闘力で決まるわけではないことがよく分かる。

 

 三時間ある大作。序盤の導入部分を過ぎると全く時間は気にならず、あっという間に過ぎてしまった。最後にあんな結末を迎えるのは残念ではあったが、美しい映像と音楽、迫力のある戦闘シーンなど見応え充分だった。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作/出演 メル・ギブソン

 

脚本 ランダル・ウォレス

 

出演 ソフィー・マルソー/パトリック・マクグーハン/キャサリン・マコーマック/ブレンダン・グリーソン/ピーター・マラン/ジェームズ・コスモ/アラン・アームストロング/アンガス・マクファーデン/ショーン・ローラー/ブライアン・コックス/イアン・バネン/トミー・フラナガン/ドナル・ギブソン/ピーター・マラン

 

音楽 ジェームズ・ホーナー

 

撮影 ジョン・トール

 

ブレイブハート - Wikipedia

 

 

登場する人物

ウィリアム・ウォレス/イザベラ・オブ・フランス/エドワード1世/ロバート・ザ・ブルース(ロバート1世)/エドワード王子(エドワード2世)

 

 

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「ねらわれた学園」 1981

ねらわれた学園

★★★☆☆

 

あらすじ

 主人公たちが通う学校にやって来た転校生が、生徒会長になり特殊な能力を使って生徒たちを操るようになる。

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感想

 建前上は学校を牛耳ろうとする勢力との対決がメインではあるのだが、実際は薬師丸ひろ子の可愛らしさを伝えようとする映画だ。あだち充の「タッチ」の浅倉南のように、彼女が男子とつかず離れずの距離感を保ち、面倒見が良くて物分りの良い部分を持つ、男子なら好きになっちゃいそうなキャラクターであることを印象づけている。そこに力が入り過ぎているせいで、物語の核の部分が始まるのがかなり後ろ倒しになってしまっている。 

 

 ウルトラマン等の特撮のような映像表現が多用されていていて、今見るとチープ感がないわけではないが面白い。峰岸徹が相当面白いことになっている。少しミュージカルっぽい部活勧誘のシーンも良くて、映像の魔術師感がある。

 

 主人公たちとその対立する集団との対決は、アイドル映画的に描いてるから大したことなかったが、これをもっと丁寧に描いてもちゃんと面白くなった気がする。

 

 

 

スタッフ/キャスト 

監督

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原作 ねらわれた学園 (講談社文庫)

 

製作総指揮/出演 角川春樹

 

出演

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高柳良一/峰岸徹/手塚真/三浦浩一/眉村卓/ハナ肇/鈴木ヒロミツ/檀ふみ/大山のぶ代/三留まゆみ/高林陽一/南田洋子/藤田敏八/浅野温子

 

音楽 松任谷正隆

 

ねらわれた学園

ねらわれた学園

  • 薬師丸ひろ子
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ねらわれた学園 (1981年の映画) - Wikipedia

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「ジョン・カーペンターの要塞警察」 1976

要塞警察 デラックス版 [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 移転を控えて手薄になった警察署が襲撃され、警官、職員、そして囚人が手を取り合って迎え撃つ。

 

感想

 赤背景に黒のテキスト、チープにすら感じるシンプルな電子音楽で始まるオープニングが映画っぽくていい。時代的なものもあると思うが、期待させてくれる。

 

 警察に恨みを持つギャングが復讐のために警察署を襲うのだが、その経緯がイマイチわかりづらい。元々この場所を襲うつもりだったのか、行きがかり上こうなったのか。

 

 

 そしてほぼセリフがないことからも推察できるが、ギャングたちのキャラクターを描くことを重視していないので、彼らが個性のないゾンビのような存在に思えてくる。そのおかげで主人公たちがバンバン撃ち殺してもあまり気がとがめない。しかし、警察署を襲うという発想がすごい。

 

 迎え撃つ警察側も人手が足りず、囚人まで駆り出さざるをえない。いつ裏切るとも限らない彼らに武器を手渡す時は、緊張感があった。根性の据わった女性職員も良かった。騒がしいだけの役に立たない女には早々に退場を願う所にもニヤリとしてしまう。

 

 面白いアイデアとストーリー。ディテールや描き方に粗さも感じるが、それすらもこの映画の魅力になっているような気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/音楽 ジョン・カーペンター

 

出演 オースティン・ストーカー/ダーウィン・ジョストン/ ローリー・ジマー/トニー・バートン/チャールズ・サイファーズ/マーティン・ウェスト/ナンシー・ルーミス/キム・リチャーズ/ヘンリー・ブランドン/ジョン・J・フォックス/ピーター・ブルーニー

 

要塞警察 デラックス版 [DVD]

要塞警察 デラックス版 [DVD]

 

ジョン・カーペンターの要塞警察 - Wikipedia

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関連する作品

リメイク作品

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「ウォーリアー」 2011

ウォーリアー(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 父親の暴力が原因で離散し、互いにわだかまりを抱えた兄弟が、それぞれの思いを胸に総合格闘技の大イベントに出場する。

 

感想

 前半は父親と弟、兄とその家族という2つの物語がほぼ交わることなく描かれる。そこで今は離散した家族に何が起きたのかが明らかにされていく。

 

 ここではアル中で暴力をふるう父親から逃れるために、母親と共に家を出た弟が、父親と再会して戸惑うのが印象的。父親はかつての行いを反省し、教会に通い禁酒を続けている。きっと長い間、頭の中にあった父親像とは違ってしまっている。嫌味の一つでも言ってやろうと思っていただろうにそれすら出来ない。自分の中で作り上げたその人のキャラクターが実際は違っていたりすると、なぜか腹立たしくすら思うこともある。人間は勝手なものだ。

 

 

 後半は大会のシーン。正直、わずか16人しか出られない大会に兄弟2人が出れる可能性なんてほぼ無いと思うのだが、まぁそこは映画なので。一応、スパーリングで出場予定者をボコボコにしてるし、もう一人はけが人の代理の元UFC選手なのでそれなりの理由はある。

 

 ここからはロッキー的な面白さ。戦っている姿を見るだけで熱くなれる。やっぱりこういう時は圧倒的強さの人間よりも、窮地に立たされつつもなんとか勝つ選手の方が盛り上がる。そして、ほぼその他の選手のことは描かないで兄弟2人の戦いだけを描くのも何気にえらい。

 

 兄弟と父親がこの大会で揃い、大会中にも色々あるのだが、最後の試合でそれらをすべてをまとめてきたのは凄かった。そして潔く終了。気持ちいい。描かれなかった後日譚は、色々なパターンがあるだろうが、きっと悪い事にはならないだろうという安心感があって爽やかな気分になれる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案/製作 ギャヴィン・オコナー

 

出演 ジョエル・エドガートン/トム・ハーディ/ジェニファー・モリソン/フランク・グリロ/ニック・ノルティ/ケヴィン・ダン/ブライアン・カレン/サム・シェリダン

 

撮影 マサノブ・タカヤナギ

 

ウォーリアー(字幕版)

ウォーリアー(字幕版)

 

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「ボーイズ・オン・ザ・ラン」 2010

ボーイズ・オン・ザ・ラン

★★★★☆

 

あらすじ

 会社の後輩の女性に思いを寄せる男が、親切なライバル会社の男のアドバイスに従って二人の距離を縮めていく。

 

感想

 主人公は頭でっかちになりがちで、肝心な所で力が入らず、変な時に無駄に力が入ってしまうタイプのダメ人間。そのまま素直に感情を表現すれば良いのに、無駄に考えてしまうからタイミングがズレてチグハグになってしまう。本人は一生懸命なのだが、傍から見てると笑ってしまうような切なさがある。

 

 そんな彼を翻弄するライバル会社の男。こういううまく人を利用する人間は現実世界にもいる。どんな人でも何かに利用できるかもしれないと思っているので、最初は誰にでも感じ良く接する。そして良い人と思わせて、自分の都合のいいように相手を動かす。大抵、こういう人の本性は直接ではなく、誰かの噂話などで間接的に知ることになる。だがそれを知っても、直接顔を合わすとあくまでも感じよく接してくるので、こちらもあからさまな態度は取りにくい。厄介なタイプの人間だ。そんな感じを、松田龍平がうまく演じている。

 

 

 そして主人公が勤める会社は最初の雰囲気から、どうせブラックな会社なんだろうな、と思っていたのに、めちゃくちゃいい会社で驚いた。この会社の人間関係を見ているだけでも楽しい気分になる。

 

 主人公が成長を遂げて最後はカタルシスを得られる、というようなわかりやすい展開ではなく、ちょっとぐらいは成長したのかな?と思うようなレベルでしかなかったが、ポジティブな感情をくれるラストではあった。

 

 「タクシードライバー」の映像をちゃんと使ってほしかったが、多分めちゃくちゃお金がかかるんだろうな。 

タクシードライバー (字幕版)

タクシードライバー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 三浦大輔

 

原作 ボーイズ・オン・ザ・ラン 全10巻完結セット (ビッグコミックス)

 

出演 峯田和伸/黒川芽以/YOU/松田龍平/小林薫/リリー・フランキー/でんでん/渋川清彦/岩松了

 

ボーイズ・オン・ザ・ラン

ボーイズ・オン・ザ・ラン

 

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「ブロンソン」 2009

ブロンソン(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 郵便局強盗で収監された男は、刑務所内で暴れることに生きがいを見出す。実話を基にした物語。タイトルは主人公がその分身であると主張している俳優チャールズ・ブロンソンから。

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感想

 イギリスで最も有名な囚人らしいが、犯した罪としては郵便局強盗と宝石強盗だけで、犯罪者としては極悪非道というほどではなかったりする。刑務所内で暴れるだけなら一般に迷惑をかける訳でもなく、刑務官にも良い訓練になって、まぁ別にいいのかなと思わなくはない。

 

 しかしこの主人公は何か不満があるから暴れている、というわけではないのが不思議な所。時に人質を取って立て籠もったりするが、どんな要求があるのか尋ねられても曖昧な返事を返すだけ。刑務官らが突入してくるのをただひたすら待っている。これはもう一種のスポーツやゲームのようなものなのかもしれない。次第に微笑ましくすら見えてくる。

 

 

 主人公が名乗っている名前のもととなった俳優のチャールズ・ブロンソンについて所長に説明する時に、刑務官たちが若干熱くなっているのが面白かった。え、あの「狼よさらば」ですよ、知らないんですか?みたいな。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ニコラス・ウィンディング・レフン

 

製作総指揮 スザンヌ・アリザート/サイモン・フォーセット/ニック・ラヴ/ポール・マーティン/ロブ・モーガン/アラン・ニブロ/ケイト・オグボーン/ジェームズ・リチャードソン/ソー・シーグルヨンソン

 

出演 トム・ハーディ/マット・キング/ジェームズ・ランス/アマンダ・バートン/ケリー・アダムス

 

ブロンソン(字幕版)

ブロンソン(字幕版)

  • トム・ハーディ
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「パーマネント野ばら」 2010

パーマネント野ばら

★★★☆☆

 

あらすじ

 離婚して、美容院を営む片田舎の実家に子供を連れて戻った女。

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感想

 女たちは町唯一の美容院に集って男の話をし、男たちは夜な夜なパブで飲み騒ぐ。田舎の娯楽なんてこんなものなのだろう。いつもと同じ顔ぶれで、いつもと同じ話が繰り返される。このままいけば、死ぬまでこの光景が繰り返されるのか、と気付いた時に、嫌気が差して抜け出したくなるものなのかもしれない。

 

 しかし、現実世界でも見かけるが、おばちゃんたちがパンチパーマにしているのはどういう意味があるのだろうか。そこに美的な何かを見出しているのか、ただ楽だからなのか。それなりに見かけるのだから、それなりの利点があるはずだ。

 

 

 男に振り回され、そんな小さな世界にとどまり続ける女たち。その一人を演じている小池栄子はいい仕事をしている。唯一、菅野美穂演じる主人公だけがまともなのかと思っていたら、えぇっとなる展開が待っていた。見えている景色の印象が急に変わってしまった。誰もまともではいられない世界ということか。だが、そんな人間たちを包み込んでくれる不思議な優しさを持った世界でもある。

 

スタッフ/キャスト

監督 吉田大八

 

原作 パーマネント野ばら(新潮文庫)

 

出演 菅野美穂/小池栄子/池脇千鶴/江口洋介/山本浩司/宇崎竜童/本田博太郎/夏木マリ/ムロツヨシ/田村泰二郎

 

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「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」 2014

ゲノムハザード ある天才科学者の5日間

★★★☆☆

 

あらすじ

 突然事件に巻き込まれた男が、自分の記憶が曖昧になっていくのに気づく。

 

感想

 記憶喪失なら本当はどんな人間だったのだろうと興味が湧くが、この設定だとへー、で終わってしまうというか。何でもありというか、何言われても受け入れざるを得ないような感じがあって、感情移入するのが難しい。

 

 そして色々詰め込みすぎで、恋愛要素も丁寧に描かれていないから、あ、そうなの?としか思えない。韓国要素も入れる必要ないと思うが、監督が韓国人だし、アジアでの興行も考えていたのだろうから、これは仕方がないか。

 

 

  しかし、西島秀俊演じる主人公は絶対、本当は特殊部隊のような所にいたはず、というようなアクションや行動をしているのに、ただの学者なのか。無駄にガタイがいいし。関係ないが、海外ではよく見るシャワーシーンだが、意外と日本の映画ではあまり見ない。なんでだろう。今回も韓国人監督だし。

 

 時々、カウントダウンされる時間が表示されるのだが、ゼロになったらどうなるかが示されていないので、別に臨場感が増すわけでもなく、なんの意味も感じなかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 キム・ソンス

 

原作 ゲノムハザード (小学館文庫)

 

出演 西島秀俊/キム・ヒョジン/真木よう子/伊武雅刀

 

音楽 川井憲次

 

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「顔のないスパイ」 2011

顔のないスパイ(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 長い間姿を消していたロシアの暗殺者の犯行と思われる殺人事件が起こり、引退していた当時のCIA担当者が呼び戻される。

 

感想

 リチャード・ギア演じる元CIAの男が最初から怪しくて、こんな序盤から気付いてしまうと、この後ずっと気づかないふりして観るの辛いな、と思っていたら、いきなりあっさりと正体をバラしてしまった。このあたりは意外感があって良かった。

 

 ただそこまでバラされて、捜査にどんな意味があるのかが、分かりづらかった。どうやら自分の妻子を殺した首謀者たちへの復讐というモチベーションで捜査していたらしい。

 

 

 やがて若いFBI捜査官にもその正体を気づかれるのだが、逆にそれで何十年も今までよくバレなかったな、と思ってしまった。

 

 そして、ラストにもう一つ驚きの事実。原題「The Double」の意味が理解できた。ただ、そうなってくるとアメリカはほとんど関係ない。ロシア人たちの話をアメリカでやっているだけだった。途中で大きめの秘密を明かす方法は面白かったが、その後の尻すぼみ感が半端なかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 マイケル・ブラント

 

出演

bookcites.hatenadiary.comトファー・グレイス/マーティン・シーン/ローレンス・ギリアード・ジュニア/スティーヴン・モイヤー/クリス・マークエット/オデット・アナブル/スタナ・カティック

 

顔のないスパイ(字幕版)

顔のないスパイ(字幕版)

 

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「お茶漬の味」 1952

お茶漬の味

★★★☆☆

 

あらすじ

 夫のすべてが気に入らず、嘘をついては友人と出かける妻。

 

感想

 家で見せるぼんやりとした夫の姿に嫌気をさしている妻。気に食わない夫の悪口を友人にぶつけ、最終的には何も言わずに家を出てしまう。この妻が何歳設定なのか分からないが、それなりの年齢の女のわがままには腹立たしさを感じてしまった。

 

 妻がわがまま放題でも生きてこられそうな、上流階級のお嬢様だったというのも影響しているのかもしれない。彼女が着ているハイセンスな着物の数々が、その個の強さを象徴している。

 

 

 小津映画の常連、笠智衆がパチンコ屋の親父という意外な役で登場。素朴で実直な背広を着た男、というイメージが強いが、案外こういう役も似合っている。本気なのか謙遜なのか、自分の商売をけなすのが可笑しい。

 

 夫婦二人でお茶漬けを食べることで、妻はこれまでの行動を反省し、夫に対するわだかまりも消えていく。それにしても、妻が自分の家の台所の様子がよくわからないというのもすごい。さすが上流階級。夫婦の寝室も違うようだし。

 

 わがままな妻と包容力のある夫という構図にしたかったのだろうが、わがままな妻と彼女を怒らせないように気を使って耐える夫になってしまっている。夫に感情移入して観ていると、胃が痛くなってくるような、そんな気分になる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 

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脚本 野田高梧

 

出演 佐分利信/木暮実千代/鶴田浩二/淡島千景/津島恵子/北原三枝/上原葉子

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撮影 厚田雄春

 

お茶漬の味

お茶漬の味

 

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「ウォールフラワー」 2012

ウォールフラワー(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 情緒不安定な少年が高校生となり、個性的な上級生たちと仲良くなる。

 

感想

 ポスターにもあるがどこか「ライ麦畑でつかまえて」を思い出させるような内容。繊細な少年がうまくいかない現実に戸惑いながらも前に進む。

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

 

 

 学校の中で目立たない少年だが、それでも前向きに行動することで道は開ける。壁際で誰かに声をかけられるのをただじっと待っているようじゃ駄目だということがよく分かる。若い時に見ていればもっと心に響いたかもしれない。

 

 そして、やがて彼女も出来て、傍から見れば充実したように見える高校生活も、優柔不断な優しさのせいで、本当に望んでいる事とは少しずつ違う方向に進みつつある事に困惑する、というのもよく分かる。 

 

 

 自分の望んだ姿で思い通りに生きるというのはなかなか難しい。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作総指揮  スティーブン・チョボスキー

 

原作 ウォールフラワー (集英社文庫)

 

製作 ジョン・マルコヴィッチ/ラッセル・スミス/リアン・ハルフォン

 

出演 ローガン・ラーマン/エマ・ワトソン/エズラ・ミラー/メイ・ホイットマン/ポール・ラッド/ニーナ・ドブレフ/ケイト・ウォルシュ/ディラン・マクダーモット/メラニー・リンスキー/ジョーン・キューザック

 

編集 ヤナ・ゴルスカヤ/メアリー・ジョー・マーキー

 

ウォールフラワー(字幕版)

ウォールフラワー(字幕版)

 

ウォールフラワー (映画) - Wikipedia

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「日本で一番悪い奴ら」 2016

日本で一番悪い奴ら

★★★★☆

 

あらすじ

 北海道県警の刑事になった男は、署内の厳しいノルマを達成するために、暴力団との関係を深めていく。実話を基にした映画。

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感想

 ノルマというのは厄介で、社員を働かせることができたり、評価に役立てることができるが、様々な問題も生じさせる。警察において検挙数にノルマがあった場合、一番簡単にノルマを達成できるのは犯罪が多発する地域で、困難なのは犯罪のない治安の良い地域だ。だが犯罪多発地域でも検挙数が増えると次第に治安は良くなっていくはずで、やがてノルマを達成するのは困難になる。

 

 となると常にノルマを達成するための良い方法は、常に一定の数の犯罪が起きる地域を保つことであり、それには犯罪者を抱える裏の組織と協力するのが合理的だ。そして両者の癒着が起きる。検挙率をノルマにしたとしても、犯罪の発生数を調整するようになるはずだ。どちらにしろ不正が起きる可能性が高い。

 

 

 暴力団と関係を深め、やがては自ら暴力団と同様の手口を行うようになる刑事。ノルマを達成するのが組織のためと、どんどんとのめり込んでいく姿は異常だ。やがて破滅へと向かうのだが、それでも組織に恨みなどなく、逆に迷惑をかけた、と思っているのが恐ろしい。そう思わせている組織が凄いのか、刑事が純粋すぎるのか。

 

 警察と非合法組織がつるんでいるだけで一般市民に被害がないのなら構わないと思ってしまうくらい、警察には期待をしていないが、実際は絶対に一般市民は迷惑を被っているのだろう。しかも実話だ。そしてこの映画で何より怖いのは、登場はしないが警察に忖度する司法だ。日本の司法には信念を感じない。

 

スタッフ/キャスト

監督 白石和彌

 

原作 恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白 (講談社文庫)

 

出演 綾野剛/YOUNG DAIS/植野行雄(デニス)/矢吹春奈/瀧内公美/田中隆三/みのすけ/中村倫也/勝矢/斎藤歩/青木崇高/木下隆行(TKO)/音尾琢真/ピエール瀧/中村獅童

 

音楽 安川午朗

 

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「不滅の恋/ベートーヴェン」 1994

不滅の恋/ベートーヴェン [DVD]

★★★★☆

 

あらすじ

 ベートーヴェンの遺書に書かれていた「不滅の恋人」を探すため、秘書をしていた男がベートーヴェンと関係のあった女性たちに会いに行く。

 

感想

 ベートーヴェンの生涯を、女性関係を中心にして描いている。あまり彼の音楽家としての凄さは描かれていないが、それは今更描く必要もないほど有名でしょう、ということなのか。

 

 そして人間としてもあまり魅力的な部分は描かれていない。ただし耳が聞こえなくなり音楽家として不安を感じていた事や、世間の冷たい視線や冷笑には同情したくなるし、偏屈になっていくのも分かる気がする。

 

 

 不滅の恋人とは誰だったのかのミステリー部分に関しては面白く、なかなか意外な結末だった。物語のなかで不可解だった部分も、だからかと納得できた。彼の偏屈さの一因には、若い頃のこの出来事もあったのだろうなと感じた。ベートーヴェンが星空の下に横たわる最後の交響曲第9番のシーンは良かった。

 

 ヴェートーベンを演じるゲイリー・オールドマンが、若い頃から晩年まで見事に演じていたと思うが、晩年の容貌が内村光良のコントのキャラクターぽくてちょっと笑ってしまった。ゲイリー・オールドマンとウッチャン、似てなくもない。

 

 この映画の中のセリフ回し役の秘書、アントン・シントラーは、性格に難のあるベートーヴェンを最後まで支え、死後も彼のために遺書にあった恋人を探す献身的な良い人物で感心したのだが、調べてみると実際は、ベートーヴェンの貴重な資料を都合のいいように廃棄したり改ざんしていたらしく、散々な言われようでびっくりした。

アントン・シンドラー - Wikipedia

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 バーナード・ローズ

 

出演 ゲイリー・オールドマン/ジェローン・クラッベ/イザベラ・ロッセリーニ/ヨハンナ・テア・ステーゲ/マルコ・ホーフシュナイダー/ヴァレリア・ゴリノ/ミリアム・マーゴリーズ/バリー・ハンフリーズ

 

不滅の恋/ベートーヴェン [DVD]

不滅の恋/ベートーヴェン [DVD]

 

不滅の恋/ベートーヴェン - Wikipedia

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登場する人物

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/アントン・シントラー/アンナ・マリー・エアデーディ伯爵夫人/クレメンス・フォン・メッテルニヒ/ジュリエッタ・グイチャルディ

 

 

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