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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「天国と地獄」 1963

天国と地獄

★★★★★

 

あらすじ

 会社の乗っ取りを企てる重役のもとに、息子を誘拐したとの電話がかかってくる。

 

感想

 最初の犯人からの電話に、一瞬で取り乱してしまう飲み込みの早さには違和感があったが、その後は息もつかせぬ展開。

 

 この映画は大きく分けて、誘拐事件、その後の捜査、犯人の発見から逮捕の3つのパートからなり、そのどれもが素晴らしいが、特に犯人の発見から逮捕までのシーンが好きだ。 

黄金町クロニクル

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  • 作者:檀原照和
  • 発売日: 2014/05/02
  • メディア: Kindle版
 

 

 横浜黄金町、猥雑な無国籍感のある映像。妖しい雰囲気にドキドキする。そして、犯人逮捕時のどこか陽気な音楽。まるでウォン・カーウァイの映画の世界のよう。順番で言うとこちらが先なので、逆だが。

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 ラストの会社重役が犯人と対峙するシーン。三船敏郎の「世界のミフネ」感がすごい。この存在感、他の役者じゃ出せない。

 

 犯人は医者の卵で、そのうち金持ちになれたのでは?という気もするが、そんな事は些細なことに思えるくらい魅力的な時間だった。

 

 

 この映画公開後に誘拐事件が多発したらしく、昭和どんだけワイルドだよ、と思ったが、考えてみれば今でも模倣犯の類はいる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/編集

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脚本 菊島隆三/久板栄二郎/小国英雄

 

原作 キングの身代金 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-11)

 

出演

bookcites.hatenadiary.com仲代達矢/香川京子/三橋達也/加藤武/山崎努/中村伸郎/志村喬/名古屋章/千秋実/三井弘次/西村晃/東野英治郎/藤原釜足/菅井きん

 

天国と地獄

天国と地獄

 

天国と地獄 (映画) - Wikipedia

 

 

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「ファイヤーウォール」 2006

ファイヤーウォール (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 銀行のセキュリティ専門家が家族を人質に取られ、銀行から大金を送金するよう迫られる。

 

感想

 なかなか緊迫感のある展開でハラハラさせられるが、前半の殆どの時間帯で、主人公がほぼ言いなりにならざるを得ない状況が続き、フラストレーションが溜まる。

 

 終盤になり、犯人が目的を果たし、家族を殺されたと思った主人公がようやく反撃に出る。ここでようやく主人公のターン。しかし、もうちょっと序盤に何とかできる方法があったんじゃないかとも思う。自分のじゃなくて、他人の携帯を使って誰かに連絡するとか。追い詰められているから、そこまで考えることができなかったということもできるが。

 

 

 そして犯人もちょっと優しすぎるように思えた。人質は三人もいるんだから、もっと酷いこともできた。まぁここで想像するような酷いことをしていたら、映画としては楽しめなくなっていたかもしれないが。

 

 犯人と肉弾戦の対決をしなきゃいけないなんて、銀行員も大変だ。潔いラストだった。

 

スタッフ/キャスト

監督 リチャード・ロンクレイン

 

出演

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ポール・ベタニー/ヴァージニア・マドセン/ロバート・フォスター/ロバート・パトリック

 

ファイヤーウォール (字幕版)

ファイヤーウォール (字幕版)

 

ファイヤーウォール (映画) - Wikipedia

 

 

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「おとうと」 2010

おとうと

★★★☆☆

 

あらすじ

 娘の結婚式に、しばらく音信不通だった弟が現れる。

 

感想

 身内から疎まれている弟がまるで寅さんのようではあるのだが、寅さんと違って駄目なところしかない。でも、姉目線で描かれており、音信不通中の弟については描かれていないからそう見えるだけなのだろう。寅さんも、妹のさくら目線だけで見たら同じようなものなのかもしれない。

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 迷惑をかけるばかりの弟に、腹を立てながらもどうしても突き放すことが出来ず、気になってしまう姉。でも家族とはそんなものだ。損得勘定だけでは単純に対処できない。

 

 吉永小百合演じる姉は決して自己主張が強いわけではないが、だからといって簡単に他人に流されるような弱い人間でもなく、しっかりとした芯のある人間だ。一見、簡単に丸め込まれそうなのに、肝心なところでは頑として譲らないような、弟とはまた別の意味で厄介な性格といえる。

 

 

 身寄りもなく、貧しく暮らす人達のためのホスピスがあって、実際にそこで活動する人達がいるということ自体は素晴らしいことだと思うのだが、それの宣伝みたいになってしまっていることが、映画としてはどうかな?と引っかかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本

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脚本 平松恵美子

 

原作 おとうと (新潮文庫)

 

出演 吉永小百合/笑福亭鶴瓶

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加藤治子/笹野高史/森本レオ/石塚義之/ラサール石井/池乃めだか/佐藤蛾次郎/キムラ緑子/小林稔侍/近藤公園/小日向文世/石田ゆり子/中居正広

 

音楽 冨田勲

 

おとうと

おとうと

 

おとうと (2010年の映画) - Wikipedia

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「ネバダ・スミス」 1966

ネバダ・スミス (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 両親を殺された男が、復讐を果たすため旅に出る。

 

感想

 復讐という行為には色々と考えさせられる所がある。勿論、自分や身内に酷い仕打ちをした人間がのうのうと生きていることには我慢できないが、だからといって同じことをしてしまうと自分も同じ人間になってしまう。それに復讐に人生を費やすということは、何もなければ違う人生を歩んでいたはずなのに、そいつのために望んでもない人生を生きさせられていることになってしまう。自分の人生を生きられない。

 

 そうは言っても何事もなかったかのように忘れて生きることは難しい。復讐ではないが、不条理な事件で自分や身内が被害者となってしまって、そのことで戦ったり、活動している人を見ると、本当に気の毒に思う。事件が起きるまではそんなことをしなければいけなくなるなんて想像すらしていなかったはずで。そして、それが誰にでも起こり得ることだということが恐ろしい。

 

 映画は痛快な復讐劇かと思わせておいて、次第にこんな感じでもやもやしたものが湧き上がってくるようになっている。二人目に復讐を果たすまでは、主人公の成長や執念が見られてワクワクするところもあるのだが、牧師が出てくるあたりから雲行きが変わってくる。しかし、じゃあどうすればよかったんだと自問自答してしまう。

 

 アメリカの大自然雄大で、それを見ているだけでもいい。そして、時折スティーブ・マックィーンがMr.ビーンに見えなくもない。

 

監督/製作 ヘンリー・ハサウェイ

 

出演

bookcites.hatenadiary.comカール・マルデン/ブライアン・キース /アーサー・ケネディマーティン・ランドースザンヌ・プレシェット/ジャネット・マーゴリン/パット・ヒングル/ラフ・ヴァローネ/ジョアンナ・ムーア/テッド・デ・コルシア/ポール・フィックス/ヴァル・エイヴリー/ロニ・アンダーソン

 

ネバダ・スミス (字幕版)
 

ネバダ・スミス - Wikipedia

 

 

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「バトルフロント」 2013

バトルフロント(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 片田舎で亡き妻との一人娘と暮らしていた元麻薬潜入捜査官に、かつて潜入した組織が襲いかかる。

 

感想

 ジェイソン・ステイサムが、元麻薬潜入捜査官の割にはリスク管理が甘い。家に侵入されているのに、何をされたかちゃんと確認していないし、見られちゃまずい資料の管理もなっていない。もう現役じゃないし、学校の父兄たちとのちょっとしたいざこざと勘違いしちゃうような伏線は一応、ある事はあるが。

 

 しかし田舎はどこに行っても同じだ。閉鎖的で保守的。よそ者がやって来ると遠巻きに監視して警戒するし、少しでも目立つと叩こうとする。ある意味、一種の儀式みたいだ。

 

 

 子供同士のいざこざで険悪な関係になっていた女の「自分も地域の一員だ」という言葉にちょっと感動したが、よく考えるとお前がすべての発端じゃないか、と。ちょっと痛めつけるだけでよかったのに、とか言っていたが、その匙加減は人それぞれだ。

 

 アクション映画にしてはちゃんとストーリーを積み上げているとは思うが、その分アクション映画としての爽快感はなかった。

 

 それから久しぶりにウィノナ・ライダーを見た。老けちゃってた。

 

スタッフ/キャスト

監督 ゲイリー・フレダー


脚本/製作 シルヴェスター・スタローン

 

原作 Homefront (Phil Broker Book 6) (English Edition)

 

製作総指揮 ジェームズ・D・スターン/ダグラス・E・ハンセン/アヴィ・ラーナー/トレヴァー・ショート/ボアズ・デヴィッドソン/レネ・ベッソン/マーク・ギル 

 

出演

bookcites.hatenadiary.comジェームズ・フランコ/ウィノナ・ライダー/ケイト・ボスワース/ラシェル・ルフェーブル/フランク・グリロ/クランシー・ブラウン/イザベラ・ヴィドヴィッチ/オマー・ベンソン・ミラー

 

バトルフロント(字幕版)

バトルフロント(字幕版)

 

バトルフロント - Wikipedia

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「台風クラブ」 1985

台風クラブ

 

★★★☆☆

 

あらすじ

 中学生たちは、台風が接近した一夜を学校で過ごすことになる。

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感想

 中学生くらいの年代は一番しんどい時期だ。もう子供ではなくなりつつあるが、大人でもない。大人は彼らを子供扱いしたり、時には大人扱いして、矛盾や不信感を生じさせる。広い世界に飛び出すことも出来ず、学校に閉じ込められて閉塞感が漂っている。そんな彼らの状況が台風によってより強調され、浮き彫りになる。

 

 閉じ込められた空間の中で、大人たちのいない時間を過ごす少年少女たち。無邪気に裸で踊る姿は、美しくもあるが儚さも感じてしまう。いつか、そんな夜があったことを、まるで夢の中での出来事のように思い出すような。

 

 

 家出をしてひとり東京に向かった少女が感じたように、学校に閉じ込められているということは、実は世間から守られているということでもある。そんな守られた世界から出てしまうと、結局自分たちも嫌悪を感じているはずの大人たちの一員になってしまうことに気づく賢い子供もいる。そんな子供は、ますます中学時代をやり過ごすのがしんどくなってしまうのだろう。

 

スタッフ/キャスト

監督 相米慎二


出演 三上祐一/紅林茂/松永敏行/工藤夕貴/大西結花/尾美としのり/鶴見辰吾/寺田農/佐藤允

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音楽 三枝成彰

 

台風クラブ

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  • 工藤夕貴
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「市民ケーン」 1941

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★★★☆☆

 

あらすじ

 死んだ大富豪が残した最期の言葉の謎を探るため、関係者たちに取材を行う記者。アカデミー賞脚本賞。

 

感想

 名作との呼び声高い作品だけに、事前にハードルを上げすぎてしまった。おそらくここで取り入れられている斬新な手法は、その後にそれをオマージュしたりパクったりした作品を見過ぎたせいで、新鮮味を感じることはなかった。

 

 やはりリアルタイムで見ることは大事だ。もしかしたら数年後、自分はこの内容を忘れてしまっているかもしれないが、きっとリアルタイムで見た人達はその時の衝撃とともに忘れないのだろう。とは言え、70年以上前の作品なので、リアルタイムでみた人達が今どれだけいるのかは分からないが。ちなみに日本公開は1966年、55年ほど前だ。

 

 

 主人公の両親はふとしたきっかけで大金持ちになるわけだが、そんな幸運に恵まれたのに子供と離れて暮らすことを選択するなんて、ちょっと理解しがたい部分がある。それほど都会で暮らすことや、良い教育を受けることの重要性を身にしみて感じていたということか。

 

 傍から見れば、裕福で華やかな生活を送っているようにみえる人物でも、人知れず心に葛藤や寂しさを抱えていて、誰の人生でも他人が簡単に評せるほど単純じゃないということなのだろう。

 

 見ている人間の遠近感を狂わせるほどの大豪邸の様子や、ラストの生前主人公が収集した異常な量の彫刻等の山とか、セットや小道具がすごかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作/出演 オーソン・ウェルズ

 

脚本 ハーマン・J・マンキーウィッツ

 

出演 ジョゼフ・コットン/ドロシー・カミンゴア/レイ・コリンズ/アグネス・ムーアヘッド/ウィリアム・アランド/アラン・ラッド/アーサー・オコンネル

 

音楽 バーナード・ハーマン

 

編集 ロバート・ワイズ

 

市民ケーン(字幕版)

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  • オ-ソン・ウエルス
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市民ケーン - Wikipedia

 

 

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「ライトスタッフ」 1983

ライトスタッフ (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 飛行速度を競っていたテストパイロット達のもとに、宇宙飛行士募集の知らせが来る。

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 アカデミー賞作曲賞、編集賞。193分。

 

感想

 とりあえず長すぎる。途中で3時間近くあることに気づいて、心が折れそうになった。長い割には色々と描かれていないような気もする。宇宙飛行士同士の関係だったり、彼らの家族との関係だったりは時折垣間見せるが、基本的にはただ時間軸を追っているような展開だ。

 

 何かが狂えば、すぐ死に直結するテストパイロットや宇宙飛行士。そんな仕事に情熱を燃やす彼らの動機は、家族や国のためなんかではなく、ただの子供っぽい無邪気な冒険心だ。自分が死ぬなんて想像もしていないから、それに付き合わされる家族はたまったものじゃない。でも、こういう人間じゃないと英雄的な人間にはなれないのだろう。

 

 

 しかし、何度も失敗を繰り返しながらも、それでもプロジェクトを進めるアメリカは凄い。どれだけ予算つぎ込んだのだろう。ソ連との宇宙開発競争をしていたから、止めることはできなかったのだろうが。

 

 誰も行ったこともない宇宙へ、みたいな人類全てが夢見られるような出来事というのはなかなかないから、この時代はある意味ではいい時代だったのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 フィリップ・カウフマン

 

原作 ザ・ライト・スタッフ―七人の宇宙飛行士 (中公文庫)

 

製作 アーウィン・ウィンクラー/ロバート・チャートフ

 

出演 サム・シェパード/スコット・グレン/エド・ハリス/デニス・クエイド/ジェフ・ゴールドブラム/フレッド・ウォード/ランス・ヘンリクセン/チャールズ・フランク/パメラ・リード/ヴェロニカ・カートライト/バーバラ・ハーシー/リヴォン・ヘルム/ドナルド・モファット/ハリー・シェアラー/ジェーン・ドーナッカー


音楽 ビル・コンティ

 

ライトスタッフ (字幕版)

ライトスタッフ (字幕版)

  • サム・シェパード
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ライトスタッフ - Wikipedia

 

 

登場する人物

チャック・イェーガー/アラン・シェパード/ガス・グリソム/ジョン・グレン/ゴードン・クーパー/ウォルター・シラー/スコット・カーペンター/ディーク・スレイトン/リンドン・ジョンソン

 

 

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「LUCY/ルーシー」 2014

LUCY/ルーシー (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 運び屋にされた女の、腹部に埋め込まれた麻薬の袋が破れ、女の脳が覚醒する。

 

感想

 通常の人間の脳は10%しか活用されていないとされているが、フル活用されるとそんな風になるの?とちょっと疑問な気もするが、まぁ映画自体は面白かった。

 

 スカーレット・ヨハンソンの脳が覚醒してスーパーになってしまって、ヒーロー物的な面白さがあるのだが、なにぶん人間を超越してしまって向かう所敵なしなので、ハラハラ・ドキドキ感はない。敵対する誰かがもう一人覚醒するともっと面白い展開になったのかもしれない。でも、多分そこは目指してない感じではあるが。

 

 

 覚醒したスカーレット・ヨハンソンが2台のパソコンを使って、あり得ない速さで様々な情報を吸収していくシーンがあるが、そんな彼女の速さに対応できるそのパソコンが欲しいわ、と思ってしまった。多分、そういう性能のパソコンが有るわけじゃなくて、彼女の力によってそういう性能になっている設定なのだろうが。

 

スタッフ/キャスト 

監督/脚本 リュック・ベッソン

 

出演 スカーレット・ヨハンソン 

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アムール・ワケド/チェ・ミンシク/ジュリアン・リンド=タット/アナリー・ティプトン

 

音楽 エリック・セラ

 

LUCY/ルーシー (字幕版)

LUCY/ルーシー (字幕版)

 

LUCY/ルーシー - Wikipedia

 

 

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「トゥー・フォー・ザ・マネー」 2005

トゥー・フォー・ザ・マネー (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 怪我のためNFL選手への夢を絶たれた男は、スポーツ勝敗予想の才能を買われて、スポーツ情報会社にスカウトされる。

 

感想

 主人公は元々プロも目指せるほどの選手だったので、勝敗予想はそれなりにできるというのはなんとなく分かるのだが、的中率がそこまで高い理由はよくわからない。だから、スランプに陥られても、観ている方としてはどういう感情を持っていいのか、よくわからない。

 

 そして、彼を寵愛するアル・パチーノ演じる元ギャンブル依存症の情報会社の社長。彼の心の奥底にある破滅願望。ギャンブルですべてを失う事にゾクゾクするというのも正直良くわからないが、依存症の人とかいるのだからそういう感覚はそれなりによくあるものなのだろう。中盤のギャンブル依存症の集会で語るシーンで、ちゃんと自分の深層心理を説明しているのが面白い。

 

 

 結局、社長が人生をギャンブルにして、すべてを失ってゾクゾクしようとしていたのに、主人公がそれを食い止めた、という話。ギャンブルに興味がない自分としては、あまり良くわからない世界だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 D・J・カルーソー

 

脚本/製作総指揮 ダン・ギルロイ

 

製作総指揮/出演 レネ・ルッソ

 

出演 マシュー・マコノヒー

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アーマンド・アサンテ/ジェレミー・ピヴェン/ジェイミー・キング

 

トゥー・フォー・ザ・マネー - Wikipedia

 

 

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「キング・オブ・コメディ」 1983

キング・オブ・コメディ 特別編集版 (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 人気コメディアンとのコネをきっかけに、なんとかスターになろうとする男。

 

感想

 タイトル的に長い下積みの末、才能が開花してスターになる、みたいな成功物語を予想していたのだが全然違った。斜め上の展開だった。

 

 人気コメディアンに憧れ、その姿を真似る主演のロバート・デ・ニーロの偏執的な演技が相変わらずヤバさを醸し出している。そしてその独りよがりのヤバさが、うまくコメディの方に転んでいて面白い。

 

 

 コメディアン役が主役だと、コメディアン自体の能力で笑わそうとしてきそうなものだが、彼自体でなく、彼が取る行動や状況で笑かしてくるのがうまく出来てるなと感心する。

 

 全然下積みのために舞台に立とうとしなかったくせに、主人公はちゃんと大舞台で笑いを取り、しかも結果的に成功を手にする。すごいハッピーエンドなはずなのだが、その状況がどこか社会の闇のような、皮肉なものを感じて後味の悪さが残る。だけど、逆にそれが良い。

 

スタッフ/キャスト

監督/出演 マーティン・スコセッシ

 

出演 

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ジェリー・ルイス/ダイアン・アボット/サンドラ・バーンハード/シェリー・ハック/トニー・ランドール/エド・ハーリヒー

 

キング・オブ・コメディ - Wikipedia

 

 

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「スリー・キングス」 1999

スリー・キングス (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 湾岸戦争の終結直後、米軍の兵士が投降したイラク兵から謎の地図を入手する。

 

感想

 勝利の高揚感の中、アメリカ万歳的な陽気な雰囲気で始まり、そのままちょっとしたアドベンチャー感覚の金塊探しがスタートする。しかし、次第に能天気さは影を潜め、シリアスな気分に支配され始める。

 

 戦争の目的はクウェートからイラクを追い出すことだから、たしかにそれ以上のことをすると干渉になってしまう。しかし、現実を見てしまって、それでも関係ないからと見過ごすことはなかなか難しい。だからそれを伝えるマスコミが重要なのだろう。そんなマスコミも、鮮度もインパクトもない情報には見向きもしないわけだが。

 

 

 結局アメリカ人は原油にしか興味が無いんでしょ?とか、アメリカ映画でそんなに耳の痛いことばかり言ってて大丈夫なのかと心配になるくらい、皮肉が散りばめられている。

 

 紆余曲折あって最後はめでたしめでたしで終わるのだが、色んな人達の思惑が交錯しているだけに爽快感はなく、結局こうやって世界は回っているのだな、と無常感につつまれる。

 

 とはいえ、こういった話をダークになり過ぎず、コメディを混じえつつ描けるのはすごい。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 デヴィッド・O・ラッセル

 

原案 ジョン・リドリー

 

出演 

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マーク・ウォールバーグ/アイス・キューブ/スパイク・ジョーンズ/クリフ・カーティス/ジェイミー・ケネディ/サイード・タグマウイ/ノーラ・ダン/ミケルティ・ウィリアムソン/ジュディ・グリア

 

スリー・キングス (字幕版)

スリー・キングス (字幕版)

  • ジョージ・クルーニー
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「サンセット大通り」 1950

サンセット大通り (字幕版) 

★★★☆☆

 

あらすじ

 金に困った売れない脚本家が、今は世間に忘れられたかつてのスター女優と出会う。

 

感想

 忘れ去られた大女優と言っても、まだ50歳で結構若い。無声映画からトーキーへの切り替わりで消えていった女優ということなのだろうか。しかしいつの時代も昔は良かったと言う人は必ずいるものだ。

 

 かつての名声時代で時が止まったままのような、朽ち果てていく大豪邸に、異様なオーラを放つ執事と共に住む大女優。どこか現実感の乏しい、幻のような世界だ。同様に過去の人となってしまったスターたちと興じるカードゲームが印象的。あとで知ったが、実際に無声映画のスターだったバスター・キートンらが演じている。

 

 

 未だにスターだと思い込んでいる彼女には物悲しさを感じるが、ひょんなことから映画スタジオを訪れた際には、かつてのスタッフらを中心に彼女の周りに大勢が群がる。彼女も生き生きとした表情を見せ、その色褪せない片鱗もうかがわせている。

 

 ラストの呆然と立ち尽くす記者や警察たちの間を、ゆっくり、ゆっくりと階段を降りていく最後の大演技は、喜びや狂気といった様々な感情を含んで鬼気迫るものがあった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ビリー・ワイルダー

 

出演 

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グロリア・スワンソン/エリッヒ・フォン・シュトロハイム/ナンシー・オルソン/ナンシー・オルソン/セシル・B・デミル/バスター・キートン/アンナ・Q・ニルソン/ヘッダ・ホッパー/ジェイ・リビングストン/レイ・エバンズ

 

サンセット大通り (字幕版)

サンセット大通り (字幕版)

  • グロリア スワンソン
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「ソナチネ」 1993

ソナチネ [DVD]

 

★★★★☆

 

あらすじ

 組織で疎まれていた組長が、組員たちとともに沖縄の抗争の応援に駆り出される。

 

感想

 久しぶりに見たら、大杉漣や寺島進といったパイプレーヤーたちが若い。もう25年も前の作品だから当然か。

 

 無邪気に花火をやったり海辺で戯れたりと、ヤクザのおじさんたちの夏休み、と言った感じなのだが、どこか死の匂いが漂っている。悲劇の前の束の間の幸福な時間、と言ったところだろうか。

 

 

 激しく感情を昂ぶらせて暴れるのではなく、静かに無表情に、そして時に唐突に訪れるバイオレンスが狂気を感じさせる。時々挟まれる乾いた笑いも、いいアクセントだ。

 

 べらべら喋るような状況説明的なセリフはあまりないのだが、「体調悪いんですか?」「火貸してください」のわずかなセリフで、ちゃんと前ふりしているのは凄かった。体調悪いんですか?で変な匂いがしていることを表して、火を貸してください、でその後に起きることを示している。うまい。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/編集/*出演 北野武

*ビートたけし名義

 

製作 奥山和由

 

出演 国舞亜矢/渡辺哲/勝村政信/寺島進/大杉漣/矢島健一/南方英二/津田寛治/木下ほうか/森下能幸

 

音楽 久石譲

 

ソナチネ [DVD]

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「影武者」 1980

影武者

★★★☆☆

 

あらすじ

 武田信玄の死を秘すため、影武者が置かれる。

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 カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作。

 

感想

 エンターテイメント要素は薄いが、合戦の映像は迫力がある。一人ひとりの戦いというよりは集団のぶつかり合いだ。鎧で馬に乗り、幟をはためかせる武者の集団は格好いい。ジョージ・ルーカスがスターウォーズで真似するのも分かる。

 

 しかし黒澤明は武田信玄に思い入れがあったのだろうか。それとも偉大すぎた信玄が死後も影響を与え続け、やがては武田家を滅ぼしてしまったことに関心があったのか。

 

 

 信玄が追放した父親の信虎が、その後も武田家とそれなりのつながりがあったのが意外だった。

 

 大将を守るために命を投げ出す部下や、合戦で儚く死んでいくものたちへの眼差しも忘れない所が黒澤明らしかった。そしてやっぱり勝新太郎が演じていたら、どうなっていたのだろうと考えてしまう。 

 

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作/編集

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脚本 井手雅人

 

外国版プロデューサー フランシス・フォード・コッポラ/ジョージ・ルーカス

 

監督部チーフ 本多猪四郎

 

出演 仲代達矢/山崎努/萩原健一/根津甚八/大滝秀治/隆大介/桃井かおり/倍賞美津子/室田日出男/阿藤海/志村喬/藤原釜足

 

影武者

影武者

  • 仲代達矢
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影武者 (映画) - Wikipedia

 

 

登場する人物

武田信玄/武田信廉/諏訪勝頼/山縣昌景/織田信長/徳川家康/於ゆうの方/馬場信春/内藤昌豊/跡部大炊助/原昌胤/小山田信茂/高坂弾正/武田竹丸/森蘭丸/丹羽長秀/酒井忠次/石川数正/本多平八郎/上杉謙信

 

 

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